2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『明暗』読了

・実に力強い小説。これが完成していたら、と悔やまれる。 ・心理描写はところどころ抽象的でくどい部分もあるが、徹底して意識の襞を丹念になぞり続ける執拗さは、やはり圧倒的だ。 ・津田の視点と、お延の視点を使い分けることによって、両者に対する批評…

漱石『明暗』を読みつつ

衝撃。 漱石が女性視点で書いている! それも相当の長さを妻お延の視点で書き続けている。これは異例のことではないのだろうか? この女性の視点の部分、女性の評者からはどのように評価されているのだろうか。気になる。 谷崎はしばしば女性一人称、女性の…

これからのモーニング娘。の戦略について妄想する

・中国大陸27万枚手売の旅 これをテレビ東京の社運を賭けて(?)大ドキュメンタリ(やらせ)として放送する。中国のテレビやネット媒体とも連携。 参考:中国で手売企画をご提案してみようではないかスレ ・「手売」企画とは趣旨が矛盾するが、テレビ露出…

紅白

ついにNHK紅白歌合戦もモーニング娘。に見放されてしまったか。 視聴率低迷してたしなあー。なんて書くと、「ヲタ涙目wwww」 という反応が予想されます。(笑) 強がってんじゃねーよ、と。 しかし、長年、紅白はモーニング娘。を観るもので、それ以外はた…

柄谷

柄谷の漱石論は、あまりよいと思えない。 江藤淳の漱石論はいつか読まねば。 蓮實重彦の『夏目漱石論』は、実に興味深い。

こころ

奥さんは、Kに娘をやる可能性など考えていなかった(はず)。なぜなら先生は裕福な財産持ちで、Kは赤貧だったから。御嬢さん本人も当然その積もりだっただろう。 御嬢さんを獲得するために、先生がKを騙したとしても、御嬢さんは左程気にしなかっただろう…

明暗

読み始めた。面白い。

漱石『こころ』

これを読んだのは何度目か分からないが、ただ圧倒されるばかり。他の長編をかなり読んでから読むと、その主題がさらに切実に迫ってくる。これは名作とか傑作とかいう通俗的観念には到底収まりきらない恐るべき小説。 文体は澄んで、端整であり、力に満ちてい…

ほか

たんぽぽさんありがとうございます。さゆの強さを見習いたいです。さゆは漱石より強い人ですねきっと(笑)

新曲&アルバム

つんく♂さんのブログで、モーニング娘。が新曲&新アルバム(オリジナル)を録音中、との報告あり。 よかった、つんく♂さんに見捨てられてなかったー、という幼稚な感想が正直な気持ち(笑)

漱石『道草』

『行人』に続いて『道草』を読んだ。その間に『こころ』が挟まっているのだが、中学生の時分から何度も読んだ小説なので飛ばした。40の今読めばまた違った読みになるとは思うけれど。 『道草』の文体を「引き締まっている」と書いたが、多少物足りない気も…

則天去私について

「不自然は自然には勝てないのである。技巧は天に負けるのである。策略として最も効力あるものが到底実行できないものだとすると、つまり策略は役に立たないといふ事になる。自然に任せて置くがいいといふ方針が最上だといふ事に帰着する。」(漱石:大正四…

アイドルの過酷さと崇高

どんなに人格攻撃されても、どんなにむごい誹謗中傷を受けても、揶揄されても、涙はひた隠して、ファンに最高の笑顔を見せ、勇気や生きる希望を与えてくれる。 なんと強い、素晴らしい存在だろう。 わたしには到底、到底、耐えられない。 わたしは想像する、…

いいなーいいなー夜遊びいいなー!!!

夜遊び大好き♪ 亀井絵里推しのテキトーなブログから。写真はラフロイグという銘柄のシングルモルトウィスキーです。 口に含んだ瞬間、煙の匂いが広がるのがたまりません。 アードベッグ、ボウモアと並ぶフェーバリットドリンクです。 うらやましいぞー、と。…

アンジェラスさんの思い

アーティストの想い - 狂熱の娘団。から引用します。ある方面の、ごく限られた世界しか知らないような人たちにとっては、想像すら出来ない話なんだろうなと思います。 これが、自立しているアーティストの姿です。 彼女たちが活動している世界とは、まさにそ…

漱石「行人」

重苦しい小説でした。理や真面目さにこだわる人間の苦悩。その鬱陶しい人間に振り回される周囲の人間の苦労。 ・二郎(語り手)と嫂にかかわる三角関係(精神的な)は解決されない。兄、一郎(主人公)との確執は宙ぶらりんのまま。 ・構成にはやや疑問も。…

モーニング娘。の魅力:コンスケさんの更新

■[娘。全般][高橋愛][道重さゆみ][田中れいな][亀井絵里][久住小春][新垣里沙]娘。秋ツアーから引用します。 彼女達はまがうことなく眼前に生きていて、奥行きを持った存在。アイドルが演じられるものであったとしても、隠しきれない生身の、照らされれば影…

ブログ名変更

数が多すぎるブログを整理します。 それにともない、当はてなダイアリーのタイトルは、 ヤキイモ屋さんの音に反応する亀井絵里の飼犬アルの日記 から 娘。魂の唯物論的な擁護のために に変更いたします。

漱石『行人』

漱石『行人』の登場人物一郎は漱石の自画像? 失敗した人生という感じの、悲惨さ。この小説は重苦しい。 不安な未来よりも、取り返しのつかない過去に比重が掛かっている。 ありえたかもしれない、しかも現実にはなかったことが確定したよりましな人生は、永…

追記、漱石、柄谷行人

『彼岸過迄』を半分で放棄。『行人』を読み始める。そのあとは『道草』『明暗』の予定。プルーストが中断したままだ。ニーチェも。 ところで、柄谷行人が『批評とポストモダン』のなかで『門』について書いていた。 宗助の欲望は他人の欲望に媒介されている…

はてなブログ

はてなブログだけ残して、あとのブログは整理しようか、と思案中。 その場合は、ここのタイトルを『娘。魂の唯物論的な擁護のために』に変更し、現在の『娘。魂の唯物論的な擁護のために』は『(旧)娘。魂の唯物論的な擁護のために』として凍結することにな…

漱石の現代的可能性

というエントリを前にも書いたようなデジャブに襲われた。 おそらく漱石の追及し格闘した主題は、そのままでは現代に通用しないだろう。漱石の悩みは、現代では「そんなことで悩んでいられるなんてお気楽なご身分ね」と一蹴されるであろうし、漱石の「反社会…

雨の降る星だからこそ愛せる?

おおかみ固定つながり?w のeririmrimさん(mixiでもお世話になってます。)が、こんなことを書いていらっしゃいました。陸のない星にはならないように ぼくたちが大声で歌えば 陸のない星になることが止められるかって言えば そんなことできるわけないじゃ…

m15さんへのトラバレス

m15さんTB感謝でございます。 何もかも絶好調じゃないとおっしゃいますが、ほぼ何もかも絶不調のおいらからみれば眩しすぎて直視できませんよ? ──かあちゃん、(海外出張)ってなに? ──お仕事で外国に行くことだよ ──スゲーなー、おれには一生縁のな…

漱石『門』・宗助・崖の上のポニョ

宮崎駿は『崖の上のポニョ』を作るにあたって、主人公の少年の名前をこの小説から取り、宗助としました。 漱石の『門』は『それから』の続編ということです。 ので、当然、主人公の宗助は愛のために世捨て人になった設定・・・と思いきやちゃっかり役人として仕…

14日追記:漱石『門』(続き)

『門』の後半は煮え切らないものが残った。破滅は回避された。なんの解決もなく引き延ばされた。解決も破局もない、宙ぶらりんな、残酷な日常が、これからも続いて行く、という終わり方。 破局の影だけは姿を見せた。破局の影が突如襲い掛かり、宗助は、禅寺…

漱石『それから』より

まるで運命の糸に必然的に導かれるように一直線にカタストロフィに至る。 これはシンプルで、力に満ちた小説だった。 きわめて闘争的で、ロマンティック。 これは自然が社会に敗れ、 真実が現実に敗れ、 愛が経済に敗れる小説だ。 単純な展開の中に漱石は多…

漱石『草枕』から

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。 夏目漱石『草枕』より(新潮文庫) 今や、わ…

高村光太郎の言葉から

ニーチェの言葉シリーズと思ったけれど急遽変更高村光太郎の『孤独が何で珍しい』という詩から 孤独の鉄(かな)しきに堪へきれない泣虫同志の がやがや集まる烏合の衆の勢に縁はない 孤独が何で珍しいこの言葉を百遍でも繰り返し暗誦すべしさてふたたびニー…

ニーチェの言葉から

青春とはそれ自体が贋造し欺くものである。後になって、幻滅また幻滅と虐まれ、ついに自分にむかって猜疑の目をむけるが、この猜疑と良心の呵責いおいてもなお熱烈であり粗暴である。 ニーチェ『善悪の彼岸』第31節より(新潮文庫、竹山道雄訳) 青春に関…