2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『虞美人草』読了

なんとなく文体がとっつきにくくて、敬遠してきた『虞美人草』。 読んでみたら、めちゃくちゃ面白かった。 これは、おすすめ。 特に、『坊っちゃん』が好きな人には、必読と言いたい。 『虞美人草』は、初期の長編。 漱石初の新聞連載小説。 気合が入りすぎ…

江藤淳の『決定版 夏目漱石』(新潮文庫)

を読み始める。 色々と啓発される部分多し。 しかし、これがいわゆる蓮實重彦の批判する「深さ」を読もうとする態度の典型であろう、とは思う。 弟子たちの則天去私解釈はもちろん神話であろうが、江藤は、それをあっさり捨てすぎているような? 則天去私と…

『吾輩は猫である』読了

何度目の読了だろう? 4度目? いい大人になって読んだのは初めてだったので、今までになく面白かった。 これは大人が楽しむべき小説だと思う。 僕が年の割りに子供だから、ということではないと思いたい。 爆笑部分は数々あれど、今日読んで、久々に大笑い…

『三四郎』読了

面白かったが、なんとなく煮え切らない印象だった。 と思ったけれど、蓮實重彦の「三四郎を読む」を読んで打ちのめされた。 創造的に読むとはこういうことか! と。 再読する必要あり。 でも、とりあえず、『猫』を読み始める。 『虞美人草』や『坑夫』や、…

漱石『三四郎』読み始めた

大昔に読んだときには、なんにも面白く思わなかったけれど、今読むと、なかなか面白い。 ・旧き日本の圧迫にも、新しき西洋の圧迫にも耐えられない、という漱石的状況が明言されている。 ・文芸の意義は、技術でも、事務でもなく「より多く人生の根本義に触…

『続明暗』読了

水村『続明暗』読了。 ・文章は、漱石の下手な模倣で、正直、緊張感が欠如している。上手にマネしましたね、と言う以外にないけれども、漱石のあのギリギリと傷口をえぐって行くような心理描写の凄みはないように思う。作者はあとがきで色々と弁解しているが…