セカンドライフ的なものへの反感

セカンドライフが大流行。
仮想世界で仮想人格を操り、まさしく「第二の人生」を自由に楽しめる。
現実には出来ないことが何でも出来る。
いかにも「オタクな人たち」が熱狂しそうなサービス……
だが、どうも好きになれない。
セカンドライフには現実の企業が投資して、宣伝活動も出来る。
仮想のアイテムを販売する。
アイテムはリンデンドルという通貨で購入し、通貨は現実のドルと交換できる。
現実の資金を投入し、セカンドライフで商売をし、成功したものが、現実にも利益を挙げる。
それで、生計を立てている者もいる。
それは、オタク的な空想の世界に、現実の経済原則を持ち込むことではないのか。
遊びを、仕事へと変えてしまうものなのではないか。
それが、つまらない。
夢の世界をくだらない現実で汚すものに思える。
メイド喫茶などの萌え産業にも同じ匂いを感じる。

マージャンをする人は、お金を賭けないと燃えない、という。
それは「負けたら痛い」というスリルを増す限りでは肯定できる。
それは人生を遊びに消費することだから。
しかし「買った金で生活しよう」というのは、いただけない。
それは遊びを労働に変えることだからだ。
賭けで勝ったら、全部、奢る、パーっと使う。それは、遊びの「倫理」として正しいことなのだ。

遊びに金がかかるのは仕方がない。
むしろ、はてしなく蕩尽できるならそれに勝ることはない。
しかし、遊びでお金を稼ぐことは、遊びを汚すことに思えてならない。